残念ながら、日本は世界的に見ても「セックスレス大国」と称されることがあります。
もし、「最後にセックスをしたのはいつだったか」と思い出せないほど長い期間が経過している場合、それはセックスレスの状態にあるかもしれません。
このような問題は周囲に相談しにくいため、多くの人が一人で悩みを抱え込んでいます。
この記事では、セックスレスが関係の終わりを意味するのか、また、その基準と解消策に焦点を当てていきます。
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セックスレスの定義ってそもそも何?
セックスレスに関する定義は人それぞれ異なるかもしれませんが、日本性科学会は1994年にセックスレスを以下のように定めています。
「カップル間で、病気やその他特別な事情がないにもかかわらず、性的な交わりや触れ合いが1ヶ月以上行われていない状態」を指します。
これは、健康であるにも関わらず、1ヶ月以上性的な関係を持っていないカップルをセックスレスと見なすということです。
より一般的な観点から見ると、カップルの一方が性的な関係を望んでいるにも関わらず、その願いが長期間叶わない状況を指し、しばしば一方がこの状態に不満を抱くことがあるとされています。
セックスレスなら別れるべきなの?
愛する人からの求愛がないと感じると、セックスレスの状態は自分に魅力がないせいではないかと疑い、自信を失いがちです。
その結果、「もしセックスレスが永続するのなら、別れたほうが良いのでは」と思うこともあるでしょう。
セックスレスがもたらす影響について、以下に詳しく見ていきます。
セックスしたい気持ちを抑えすぎて心が辛くなる
愛する人との身体的なつながりを望むことは、まったくもって自然な感情です。
しかしながら、パートナーからの関心がない、あるいは身体的な接近を拒まれ続けると、次第に心に影を落とし始めます。
「自分だけが求めているのだろうか」「なぜ、受け入れてもらえないのだろう」という疑問が頭をよぎり、悩みは深まる一方です。
これらの感情をパートナーに直接ぶつけたいと思っても、「もしまた拒絶されたら」という恐れから、結局は話せずに、気づけばセックスレスの状態に陥ってしまうことが少なくありません。
パートナーからの愛情を感じられない状況が続くと、自覚している以上に心は深く傷つき、満たされぬままになってしまいます。
2人にとってセックスの重要性は異なる
多くの人がセックスレスに頭を悩ませていますが、セックスに対する考え方は人によって大きく異なり、カップル間の関係性によっても様々な意見が存在します。
例えば、「愛しているからセックスは当然」と捉える人もいれば、「単に性的な欲求を満たしたい」と考える人もいます。
さらに、一部の人は「子作りの手段」として捉えたり、「パートナーから求められれば応じるべき義務」として受け止めることもあります。
しかし、セックスが提供するものは肉体的な喜びだけではありません。
パートナーとの肌の接触は、互いに安堵感をもたらし、精神的、身体的な充実感を感じさせます。
これはお互いを異性として深く認識し、尊重する行為とも言えるのです。
このまま続けば浮気するリスクもある
「セックスがなくてもお互いに問題ない」と自分自身に言い聞かせていることはありませんか?
パートナーが同じ価値観を共有しているとは限りません。
実際多くの場合、セックスレスの状況では、少なくとも一方のパートナーが満足していないのが現実です。
性的な関係を望んでいるのに、パートナーはそれに応じてくれない」と感じると、人は外で解決策を求め、時には不倫に走ることさえあります。
追い込まれた人々は、パートナーに裏切りを感じさせることが痛いほど分かっていながらも、辛いというやりきれない思い、寂しさ、シンプルな性的欲求といったさまざまな感情に苛まれています。
世の中には不倫を選択する人もいますが、その根底にはパートナーとの関係性が大きく影響しているのです。
セックスレスで別れに至る判断基準とは?
「セックスレスが必ずしも別れるべきサインだ」と断定することはできません。
重要なのは、これまで築いてきたパートナーとの関係や将来に描くビジョンについて、深く反省し、考えを整理することです。
この自己分析を基に、自分がどのような未来を望み、どのような関係を築いていきたいのかを熟考することが重要です。
寂しくて他の相手との関係を考えてしまう
セックスを望んでいるにもかかわらずパートナーに拒絶されるという状況は、多くの人が内心で苦しんでいる問題です。
「いつも一緒にいても、心は遠く感じられる」「どうしてこんなに苦しまなければならないのだろう」「もう愛されていないのかな」といった感情は、セックスレスが原因で生じる一般的な不安や寂しさです。
これらの問題を一人で抱え込むことは非常に辛いため、「別の誰かと新たな関係を求めた方がいいのかもしれない」と思ってしまう人もいます。
不倫を考えるようになるのは、元々そのような願望があるからではなく、セックスレスによる自尊心の低下や心の空虚感から来ることが多いのです。
しかし、根底にはまだパートナーへの愛情が残っており、その不満や寂しさが深い結びつきを求める気持ちから生まれています。
これを機に、関係の改善に向けて努力すれば、別れという最終的な選択は避けることができるかもしれません。
いずれ子どもがほしいと思っている
子どもを望む人にとって、セックスレスは深刻な問題です。
特に女性は、妊娠や出産には生物学的な最適な時期があり、パートナーとの連携が不可欠です。
子どもを望んでもすぐに妊娠できるとは限らないため、結婚して子どもを願うもののセックスレスに悩む場合、時間が経つにつれて「適切な時期を逃してしまうのではないか」という不安は増大するばかりです。
このような状況は大きなストレスとなり、急いで問題を解決したいと考えても、パートナーが子どもの話を先延ばしにする態度を取ると、「この人といても子どもは望めないかもしれない。
ならば、早めに別のパートナーを見つけた方がよい」という結論に至る人もいます。
そもそもセックスレスの話題を相談できない
多くの方がセックスレスに関する悩みを抱えている中で、パートナーとその問題について話し合うのは難しいと感じています。
セックスレスの問題は、一人で抱え込んでいても解決することは難しいです。
しかし、実際にパートナーとデリケートな話題について話し始めるのには、相当の勇気が必要です。
特に女性の場合、「セックスの話題を自分から切り出すのは恥ずかしい」「既にセックスを拒否されているから、話し合いも受け入れてもらえないかもしれない」と不安に思うことがあります。
また、「愛情がなくなったから関係を持てない」と明確に言われることへの恐れも、大きな心理的ハードルとなります。
手をつなぐ・キスやハグなどスキンシップが無い
結婚して家族のような関係になり、手をつなぐ、キスをする、ハグを交わすといったスキンシップが徐々に減っていくカップルは珍しくありません。
恋愛期には無意識のうちに行っていたこれらの愛情表現も、日常の慌ただしさの中で忘れがちになります。
そうした行為が気恥ずかしいと感じるのは、家族になった以上は自然な反応です。
セックスもこのようなスキンシップの一種と考えることができます。
しかし、セックスを男女の関係性の重い側面だけに結びつけてしまうと、それが義務感やプレッシャーとなり、より一層スキンシップを取ることが難しくなります。
すでに1年もセックスレス状態である
セックスレスが長期間にわたると、その悩みはより複雑で深刻なものになります。
特に1年以上セックスレスが続くと、「忙しい」「疲れている」「今は難しい」といった理由が説得力を失い、関係の新たな「普通」がセックスレスであるかのように感じられ始めます。
性的関係を再び求めることに対するためらいや、自分からその話題を切り出すことへの抵抗感が増すのは自然なことです。
このような状況下では、「パートナーは自分をどう見ているのだろう?」や「もし互いに必要としていないのであれば、関係を見直すべきか?」といった疑問が頭をよぎります。
正直言ってもう愛せない
パートナーへの愛情が薄れたり失われたりした場合、その人に触れることや触れられること、セックスを避けたくなる人はいます。
特に女性の場合、愛情や親密さがセックスの欲求に大きく関わっており、「この人に抱かれたい」と感じなければ性的な関係を求めることは難しいでしょう。
パートナーシップにおいて、愛情は身体的な結びつきを強める基盤となるため、その基盤が揺らいでいる状態では、性的な関係を維持することは困難です。
愛情がない状態でのセックスは、多くの場合、双方にとって満足のいくものにはならず、結果的にセックスレスが続く原因となり得ます。
まずは愛情そのものを取り戻すことが重要ですが、並大抵のハードルではありません。
セックスレスになった原因は何?
セックスレスになる背景には様々な原因が存在し、それはカップルごとに大きく異なることが多いです。
以下に、セックスレスに至る一般的な原因をいくつか挙げてみましょう。
忙しい・疲れた・タイミングの相違
「ちょっと今、忙しくて疲れているから」という理由でセックスの申し出を断ることは、実際に多くのカップルで聞かれるフレーズです。
確かに仕事が忙しい時期や、体力的にも精神的にも疲弊している時は、セックスへの興味や能力が低下します。
余裕がないと、相手に対する配慮が欠け、質の高い愛情表現をすることが難しくなるものです。
このような断り方をされた側は、「疲れているのを言い訳にしているだけでは?」と感じることもあるかもしれません。
しかし違う見方をすれば、相手が本当に疲れていて、心から楽しめないセックスをするよりは、お互いが心から望む瞬間を選ぶ方が、双方にとって満足度の高い経験になるはずです。
しかし、このような状況が続くと、セックスを切り出すことに消極的になることもあります。
「これ以上迫って傷つくのは嫌だ」と感じ、積極的に申し出をしなくなり、その結果として関係がセックスレスになることも少なくありません。
性欲が少ない・セックスへの興味が乏しい
性欲は個人差が大きく、またその時々の心身の状態によっても変動します。
性欲がそもそも弱い人にとっては、セックスは積極的に求めるものではなく、むしろパートナーからの要望に応える義務のように感じられるかもしれません。
また、セックス自体に魅力を感じない人は、愛情表現としてキスやハグは受け入れやすくても、セックスには及び腰になることがあります。
カップルがお互いに同じ感覚を共有していれば問題は少ないですが、一方がもっと性的な繋がりを求めていると、大きな不満やストレスの原因になり得ます。
パートナーに浮気された経験
パートナーの不貞が原因でセックスレスに陥るケースは確かに存在します。
一時の遊び心から浮気をしたとしても、その行為は、軽く見過ごすことはできない重大な裏切りです。
「酔った勢いで」「出来心だった」と謝罪し、その場は収まったように見えても、浮気をされた側の心の傷は深く、簡単には癒えません。
「もう過去のことだ」と割り切ったつもりでも、裏切られた記憶は消えず、それが心の中に残る痛みとなって表れます。
特に性的な関係においては、裏切りを感じた身体への信頼を取り戻すことは非常に難しく、自分を捧げることへの躊躇いや不安が生まれます。
その結果、以前のようにパートナーに身を委ねることができなくなり、セックスレスにつながるのです。
セックスレスを解消する方法とは
セックスレスの解消には、双方が改善に向けて協力する意思があるかどうかが重要です。
ここでは、セックスレスを解消するための具体的なステップをいくつかご紹介します。
今日からでも試すことができるものも含まれていますので、適宜取り入れてみてください。
性生活を意識させるべく自分磨きに励む
パートナーが再び性的な関係に前向きになるよう促すためには、まず日々の生活の中でお互いを意識的に異性として見ることが重要です。
長い間一緒にいると、特に子どもがいる場合、パートナーの性的な魅力よりも親としての役割が強調されがちです。
これを変え、パートナーをまずは一人の男性や女性として見直すことが大切です。
家庭内でのラフな服装やすっぴんが常態化している場合、たまには意識しておしゃれをしたり、スキンケアやヘアケアに手間をかけることも大事です。
「ありがとう」と感謝を表し、笑顔で接することも、日々の感謝を伝え、良好な関係を築く上で欠かせません。
また、自分を磨く努力を続けることは、自尊心を高め、パートナーにも刺激を与えます。
パートナーが自分の努力を見て刺激を受ければ、彼もまた自分を磨くことを意識し始めるかもしれません。
このような日々の小さな変化が積み重なることで、お互いに新鮮な魅力を感じ合えるようになり、性的な関係への関心も自然と高まってくるはずです。
2人だけで過ごす時間を用意する
現実的に、家事、仕事、育児など日々の忙しさに追われる中で、パートナーとの時間を確保するのは容易ではありません。
しかし、そのような状況だからこそ、意識的に二人だけの時間を作ることが、関係を深め、セックスレスの解消にもつながる重要なポイントです。
例えば、晩酌を一緒に楽しむ、共にコーヒーを淹れて会話をする、お風呂上がりにお互いの疲れを癒すマッサージを交換するなど、日常の小さな瞬間から特別な時間を創り出すことができます。
また、定期的にデートの時間を設けることも、二人の関係をリフレッシュさせる良い方法です。
休日に予定を合わせたり、記念日には子どもを親に預けて二人だけの時間を確保したりするなど、外部のサポートを利用することも一つの手段です。
「どのようにすれば二人の時間を作れるか?」をお互いに考え、積極的に予定を合わせ、協力し合う姿勢が大切です。
スキンシップから徐々にやり直す
セックスレスを解消する過程で、急に性的な関係を再開しようとするのは困難かもしれません。
特に、長期間スキンシップがなかったり、会話が少なかったりする場合は、まずは基本から始めることが大切です。
目を合わせて会話を楽しむことからスタートし、お互いの存在を改めて認識することが大切です。
最初は「こんな小さなことから?」と感じるかもしれませんが、これまで忘れがちだった基本的なコミュニケーションの重要性を再認識する良い機会です。
具体的な行動としては、笑顔で話しかける、共感を示す、一緒に買い物や散歩をする、マッサージを交換するなどがおすすめ。
ポイントは、焦らずにお互いに寄り添いながら、日々の生活の中で愛情表現を意識的に増やしていくことです。
焦らずマイペースで進めていくこと
セックスレスの解消に向けて積極的に努力していても、すぐに状況が改善しないことは珍しくありません。
自分磨きをし、共に時間を過ごし、スキンシップも増やしているのに進展が見られないと、不安や焦り、イライラを感じることもあるでしょう。
しかし、重要なのはその怒りの気持ちをパートナーにぶつけず、冷静に状況を見極めることです。
セックスレスの解消は、双方の心が同じタイミングで開かれ、お互いに深く愛し合う気持ちが同時に芽生えることが必要です。
それには、かなり時間がかかることを受け入れなければなりません。
相手を思いやる姿勢を保つことが、最終的には二人の関係を改善し、セックスレスを解消する鍵となるはずです。
セックスレスが原因で別れた男女の体験談
セックスレスを理由に別れを選択し、その後幸せな生活を手に入れたという人々も確かに存在します。
これらの体験談は、多くの悩める人にとって貴重な学びとなるでしょう。
最後に、悩んだ結果決断した人たちの経緯と、別れた後の人生について紹介します。
別れが必ずしもネガティブな結果をもたらすわけではなく、時には新しい幸せへの扉を開くきっかけにもなるでしょう。
離婚後すぐに他の男性と結婚して子供ができた主婦
かつて私も、パートナーとの間でセックスレスの問題に直面したことがあります。
私の元夫は私と同年代で、性に関してはかなり淡白な人でした。私自身、それに大きな不満を感じていました。
恋愛時代、私たちは将来の子どもの話をして夢を膨らませていましたが、結婚してからの彼の態度は変わらず、セックスレスは続いていました。
「いつ子どもを?」と周囲からの質問が増えるにつれ、私のストレスは日に日に大きくなっていきました。
彼との真剣な話し合いを試みましたが、彼は私の望みを理解しようとせず、「セックスが全てなのか?」というような言葉を返されただけでした。
その瞬間、私の心は冷え切りました。そして長い自問自答の末、私は決断しました。
「この人との未来はもうない」と離婚を選んだのです。
離婚後は不安でいっぱいでしたが、新しい出会いがありました。
現在の夫とは思いやりを持って互いを尊重し合える関係です。
そして、私たちはすぐに子どもに恵まれました。
今、私は深い幸せを感じており、過去の決断が正しかったと確信しています。
もっと早めに別れたら良かったという女性
結婚した途端、私の結婚生活はセックスレスに陥りました。その原因は、夫の不貞行為でした。
私自身は全く気づいていなかったのですが、彼は前の恋人との関係を続けていたのです。
浮気に直面した時、彼は「もう全て終わらせたし、二度としないから」と謝り、再び関係を修復しようとセックスを求めてきました。
しかし、関係修復の手段としてセックスを求めること自体、私には納得がいきませんでした。
彼に抱かれることなど考えられませんでしたし、私の感情は完全に無視されているようで怒りを覚えました。
本当は私も、新婚として楽しい日々を送りたかった。
でも、彼の裏切り行為を思い出す度に、心が拒絶し、体が拒否反応を示し続けました。
そして、その状態が何年も続いた後、私たちは双方のためにも、最終的に離婚するという決断を下しました。
振り返ると、セックスレスが長引いていたこと、それをきっかけに離婚するなら、もっと早い段階で決断したほうが良かったとすら思います。
私たちのように、努力しても関係が修復できないと感じた場合、無理に続ける必要はないということです。
セックスレスに至る理由は多岐にわたり、その後の選択肢も自由
この記事を通して明らかになったのは、セックスレスに至る理由は、非常に多岐にわたるという事実です。
多くの場合、片方だけの努力では問題が解決せず、双方の気持ちが一致しなければ前に進むことは難しいという現実があります。
セックスレスの原因を突き止め、今自分がどのような感情を抱えているのかを整理することが、第一歩です。
次は、単にスキンシップを増やすことから始まるかもしれませんし、深い会話を再び始めることかもしれません。
ご自身の中でパートナーに対する感情を見つめ直し、自分の望む未来像を明確に描くことが重要です。
将来自分がどうありたいか、そしてその未来においてパートナーの存在がどう影響しているかを考えることで、次に取るべき行動や決断が見えてくるはずです。